臨時アシスタントで緊張した時のはなし。
臨時で入って、最初に任される背景は緊張します。
速くやらなきゃ。
どのくらいのスピードでやらなきゃいけないんだろ。
どのくらいって!
最速でやるに決まっている!
とか、いろいろ考えを巡らて焦る。
アシスタントにとって、作画スピードは重要だ。
「お、早いねー」
とか言われるとほっとするし、
「そんなに丁寧にやらなくていいよー」
とか軽く言われたりすると
全身の汗腺から汗がブワッと出る。
「そんなに丁寧にやらなくていいよー」は、
暗に、
「時間かかりすぎ」
って言われてるのと同じだからだ。
だから、一番最初にまかされる仕事は、
緊張と集中が高まるなかで取りかかる事になります。
でもね
そいいう時に限って時間かかったりするんです。
力が入りすぎているからか、
コマ枠の外に青鉛筆で書いてある重要な支持を見落としていたり。
20分くらい下描きした後で、
その指示メモに気づいて
ひ~~~~ッ!!ってなって
よけいに汗だくになって、あせってあせって…。
「ほんとはもっと早いんですよ~!
いつもは、こんなじゃないんです~!」
なんて内心で言い訳しながら汗まみれで仕事したり…。
アナログアシは、在宅デジタルとは比べものにならないくらい
嫌な、変な緊張感があるんですよね。
常に先生のご機嫌をうかがってるような。
そうしていなければいけないような雰囲気に呑まれたりして…。
新入社員で、いきなり社長秘書に抜擢された感じ?
そんで、先生が指示を伝えるのがあまり上手くない場合は大変。
声が小さくて聴き取れないとか、
OKなのかどうかがハッキリわからない言い方をする、とか。
下描き見せても、
これでペン入れまでやっていいかどうかわからんとか。
「ん!」
とだけ言って原稿を渡される、とか。
まあ、その都度、質問して確認するんですけど、
そういう先生にかぎって
すご~く質問しづらい雰囲気を持っていたりするんですよね~。
まあ僕も、人様のことは言えませんけどね。
僕が漫画家になってアシさん雇った時とか、
まさにそういう漫画家だったんじゃないかなと思います。
いま考えると、反省点ばかりです。
つづく…
アナログアシ時代の思い出 その10 おわり
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