アナログアシ時代の思い出 その18

今回は、
静岡県ロイホ先生の仕事場で、
仕事が終わったあと睡眠時間を削ってコツコツ描いていた作品が、
賞金100万円漫画新人賞をいただいた時のお話。

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僕は、マック先生(仮名)の事務所で、
週刊連載のレギュラーアシスンタトをする事になって、
毎週、忙しい日々を送っていました。

 

その知らせを聴いたのは、
マック事務所の作画期間中でした。

作画期間中ですから、
マック先生以下レギュラーアシ3人とも出勤していました。

 

そして担当編集者ザクロさん(仮名)も何かの用事で来ていました。

 

ザクロさんは、
僕が投稿した作品を評価してくれて、
電話をくれた編集さんです。


それ以来、僕の担当編集者となりました。

ザクロさんの紹介で、僕はマック事務所で働くことになったのです。

僕らは次のステップとして、
「賞金100万円の大きな賞に応募するための作品を作りましょう!」
と意気込んでいました。

 

     ×     ×     ×

 


その知らせを聴いたのは、
マック事務所で背景を描いている最中でした。

執筆室の先生の目の前にあった電話に、
編集部からザクロさん宛てに電話が鳴りました。

電話を受け取ったザクロさんは電話口で

「ああ、そう!」

と大きな声を出しました。

 

僕が背景の指示を聞きにマック先生の執筆室へ入っていくと、

マック先生ザクロさんが、僕の方を向いて含みのある顔をしています。

「…言わないんですか?」

マック先生ザクロさんにそう言うとザクロさんが、

「おめでとう!大賞、流星くんに決まったって!」

と言いました。


こんなとき不思議な気持ちになるものです。

大賞を受賞することは、最初からわかっていたような

さきほどの「ああ、そう!」という声を作業部屋で聴いたときに
何かを感じていたような。

時間がごっちゃになったような気持ちに。


ザクロさんと、何度もネームの直しをし、

何度もダメ出しを食らって、

最後の最後、もう締め切りまで時間がないという段階になって、

「もう、時間ギリギリだし、好きなように描きなよ」

と半ば放り出したようにザクロさんに言われた作品…。


それからロイホ先生のアシをしながら、
10日間で完成させた32ページの作品でした。

マック先生からは、

「キミは、いい腕だねぇ」

というお言葉をいただきました。

僕は、嬉しくて、
「ちょっと用を足してきます」
と事務所を抜け出し、
直近の公衆電話から、当時同棲していた現在の妻
報告の電話をかけたのをおぼえています。

 つづく…

 

アナログアシ時代の思い出 その18 おわり

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