マンガアシの教科書

22歳でアシスタントとして漫画業界入りし、プロ漫画家になったはいいけどヒット作無しで30年経過した男の告白ブログ/Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です

漫画 デジタル在宅アシスタント 作業環境はこんな感じ

■漫画アシスタント その作業環境

こんにちわ。漫画アシスタントの流星光です。
今回は、僕が仕事してる作業環境についてご報告させていただきます。

まず簡単に現在の僕の職業について紹介しておきます。
漫画のデジタル在宅アシスタントですね。


インターネット回線をつうじて、先生から原稿を送ってもらって、
家で背景を描いて送り返す、という仕事です。


お給料は、銀行振り込みでいただいてます。


ということで、ひと月に3人くらいの先生とレギュラーの契約をさせてもらってます。
レギュラーで、ひと月に3人ということは、どなたも、週刊連載の作家さんではありません。


月刊連載とか、まあ、不定期な連載とかそんな感じの先生のお手伝いをしています。

 

 

まず、簡単に説明していきたいと思います。

パソコンは2台あります。f:id:hikaru_n:20190614185053j:plain
左のパソコンが、メインで仕事をするパソコンで、
右のパソコンが、サブの役割をしています。
よく、パソコン1台でモニターがふたつあって、
こう長いモニターみたいに使ってる人いますけど、
うちは、右と左、2つのパソコンがあります。

 

左のパソコンには、外付けHDDが、2つくっついてます。

 

で、キーボードと、左手用ゲーミングパッド、
これはロジクールの「G13」という製品ですね。


僕は、ショートカットキーは、ほとんどキーボードで打つので、
このG13は、ほとんど使ってません。

 

で、両方のPCにスピーカーがあります。
で、それぞれのキーボード マウス

そしてペンタブレットですね。

 

最近は、液晶タブレットが大流行ですけど、
僕は、板タブです。液タブ使った事ありません。

 


で、漫画アシスタントをするのに、PCが2台必要なのかというと
そういう訳ではありません。
一台で十分だと思います。

 

僕も最初はパソコン一台体制で仕事をしていました。
でもやっぱり、何かあった時、
急にPCが動かなくなったりした時に困るので、
二台あれば安心だなとずっと思っていました。
で、お金に余裕がある時にっていうか、
ローン組んでも大丈夫かなというタイミングで
24回払いで、こっちのPCを購入しました。

という感じですね。
今日のところは以上です。

もしよかったらチャンネル登録お願いします!
失礼します!

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漫画 デジタル在宅アシスタント ある月の収入を公開

■2019年4月の収入

こんにちわ、漫画アシスタントの流星光です。
簡単に自己紹介します。
22歳でアシスタントとして漫画業界に入って
三年半後、1991年にプロ漫画家としてデビューしました。
いろいろあって最終的に現在、漫画アシスンタトで生計を立てています。

デジタル在宅アシスタント専門でやらせてもらってます。
それ以外は仕事してません。

漫画アシスタントと言うと、世間的には、
どんな仕事をしているのか周知されるようになってきたとは思うんですけど、
このブログでは、もっと詳細に報告させていただきたいと思います。

 

では、おそらく一番興味を持たれるであろう、収入面のお話です。

 

とりあえず、2019年4月の収入について発表していきます。


2019年4月に働いた日と収入について話していきます。

 

僕はだいたい、1日働いて一万円いただくことになってます。

これは、僕が、お仕事を募集してるページで、勝手に宣言させてもらってる金額です。
だいたいこれくらいが相場だと思います。

もちろんアシスタントの実力とか作業スピードとか、いろいろ違いによって
お給料っていうのは違うと思うんですけど、
僕のスペックでは、そのくらいが妥当かなと思って、自分で決めさせてもらってます。

で、

4月は、4人の先生のお手伝いをしました。
いちおう3人がレギュラーの約束をしている先生で、一人が臨時の先生でした。
まあ、臨時ですけど、昔から知ってる人ですね。
不定期に漫画のお仕事がある先生みたいなので、仕事がある時に連絡がきて
「今月てつだってください」みたいに以来される事が多いです。

 

まず、A先生。

5.6.7.8.そして、21.22.23 合計7日間お手伝いしました。

で、次の月に振り込みがありました。
7日分で、122,468円 でした。

えーと、この先生は、一日一万円とか、そういう区切りのいい数字にはならなくて、
働いた時間数かける、時給、という形で計算していただいているようです。
僕は、細かく、一日何時間働いたとか記録もつけてないし、よくわからないのですが、

すいません、大雑把な上に数字の計算が超苦手なので…

で、振り込まれる金額をそのまま、「受け取りました。ありがとうございました。」

というふうに、メールで送って、いただく事にしております。


次に、B先生ですね。

11.12.13.14.15 の合計5日間ですね。

この先生は、一日一万円と決まっています。
勤務時間的には、午前10時始まりの、午後11時終了という感じになってます。

こちらの先生は、振り込みが翌月まで持ち越すことがなくて、22日には振り込まれました。
お早いお振込み、ありがとうございます。って感じですね。

で、金額が、55,000円ですね。

5日間だと5万円じゃないか!と思われるかも知れませんが、
最後の15日の日がですね、私が仕事を全部終わらせることができなくて、
残業になってしまいました。
夜11時には終わらずに、そのまま仕事し続けて、朝の5時30分にやっと終わって終了と
いうことになりました。

残業の分も上乗せしていただいて、55000円となりました。ありがとうございます。


で、次にC先生ですね。

25.26.27.28.29 の合計5日間ですね。

こちらの先生は、一日1万円と決まってます。定額です。
勤務時間は、お昼過ぎの午後2時~午後10時、22時までということになっております。
短いですね。

仕事が始まる前に、いろいろできるので、ありがたいです。

その代わり、時間が短い分、仕事中は、超集中状態です。
もちろん休憩時間は、ちゃんとあります。無理のないように。

そんな感じで、2019年4月の収入は、227,468円でした。

もちろん、この金額は、アシスタントが全員もらえるという訳ではありません。

漫画家の先生によったり、アシさんの技術によったり、労働時間によったり、いろいろな要素がからみあってお給料が決められているので、100人アシさんがいたら、100通りの給料形態があるとお考え下さい。

以上。
収入の報告でした。


4人目の臨時で入ってたD先生は、31日、5月の1.2.3.4 という感じで5日間
お手伝いさせていただいたので、お給料の振り込みは、全部終わったあと、
という事になりますので、4月には入れませんでした。

以上でした。

ありがとうございました。

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漫画 デジタル在宅アシスタントの一日


こんにちわ。漫画アシスタントの流星光です。
今回は、漫画アシスタントの日常について紹介させていただきます。
しばらくは、漫画のデジタル在宅アシスタントという仕事が、どういう仕事なのか、
そして、僕がどんな毎日を送っているのか、というところを重点的にお伝えしていきたいと思っています。
漫画家や漫画アシスタントを目指している方、漫画業界入りを目指してる方は参考にしてください。

いずれは、背景の描き方とか、そういう話になっていくとは思いますけど、
頑張っていきたいと思います。


まず、仕事の日の僕の一日を紹介します。

朝起きてから仕事開始まで、あまり関係ないのでざっくり早足で行きたいと思います。

まず、6:30起床
朝の散歩
猫の世話をして、
8:00 朝ごはんです。  
お皿とか洗って、
また猫のお世話。
そしてシャワー浴びて、
珈琲入れます。これは仕事中に飲むヤツです。
で、9:55にセットしている★アラーム★がなります。
仕事開始5分前、ここからがお仕事ですね。

5分前になったら、スカイプチャットで先生に、仕事開始の挨拶をします。

通常は、この時点で先生もパソコンの前にいるはずなので、
すぐ返事がきます。

だいたいスカイプが多いと思いますが、これも先生によって
スラックとか、ディスコードとか、その他のツールが使われている場合もあります。
そういう事は、アシスンタトお願いします、みたいな話になった時に、打ち合わせなどがあると思います。

で、さっそく指示がきます。
先生によっては、
「今日から5日間よろしくお願いします」とか
「今回、面倒な背景ばかりですが、よろしくお願いします」とか、
今回の仕事についてひと言あるかもしれません。
これも、僕の場合はだいたいスカイプチャットですね。

もちろん必要に応じてスカイプ通話する場合もあります。

とにかく、挨拶も早々に切り上げて、さっそく指示原稿がスカイプで送られてきます。

ファイルを受け取ります。

これも、僕のデジアシ経験の中でも、
スカイプでやりとりする以外に、いくつかの方法がありました。

ドロップボックスの決められたフォルダー内にアップロードするという方法と、
データ便や、宅ファイル便、ファイアーストレージなどの大容量のファイル送信サービスを利用するというやり方です。

それ以外では、僕はあまり経験ないですね。

原稿ファイルを確認したら、スカイプチャットで返事をします。
「了解しました!」
「確認しました。 では作業に入ります!」
「了解しました。ラフが出来たら、お送りします!」
とかまあ、いろいろなパターンがありますね。

で、指示を受けたら仕事を開始します。f:id:hikaru_n:20190612111720p:plain
画像は、僕がお手伝いさせていただいてる先生の指示を真似て、僕が描いたものです。

そんな感じで指示がきます。
ざっくりしている上に、この文字マウスで書いてるんですけど、
こんなふうに文字も読みずらかったりします。

わからなかったり、文字が読めなかったりしたら、すぐ聴きましょう。
わからないものは、悩んでいても時間の無駄なので、すぐ質問します。

で、下描き開始。
絵の面倒くささによりますけど、お昼ごはんの時間までに下描きが終わらないとかもあります。

12時、お昼休憩をとります。
よく「キリのいいところで終わってください」とか言う言葉を使う人いますけど、
僕は、あの言葉大嫌いですね。
指示としてもわかりづらいし、時間でキッチリ区切った方が効率いい気がします。

なので、12時になったらキッチリ休憩をとります。

で、休憩入る時いちいち言わなくていい先生の場合は、
勝手に手を止めて休憩に入ります。

で、休憩終わって、仕事に戻ります。
下描き終了して、スカイプで送ります。

下描きチェックでOKが出たら、ペン入れですね。

 

で終了したら次の指示がきます。
次の仕事の指示、そして繰り返し。

で、そんなこんなで22時なったら、一日終了、終わらなかった仕事は翌日へ持ち越し。

酒、テレビ、寝る。

これが僕のアシスタントの仕事がある日の
一日のスケジュールです。

ありがとうございました!

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アナログアシ時代の思い出 その21「キツかった現場2/3」

 

今まででキツかったアシ現場 2/3

 

2時間たつと次の原稿が回ってくる現場


それは、確かマック先生の連載が終わって

事務所が解散になって雑多なアシの仕事やってた頃のお話。

 

1日だけの臨時アシのお仕事。

成人向け漫画の人物の肌に

スクリーントーン(※)61番を貼って、

光が当たってる部分をカッターで削るというお仕事。

61番っていうのは薄いトーンで、

人物の影によく使われるトーンですね。


電車に乗って仕事場の最寄り駅まで行くと、
先生が駅まで迎えに来てくれてました。

仕事場到着

 

先生が借りている住居兼仕事場の一戸建て。

「やってほしいのは、人物の肌に影をつける作業です」

「このトーンを使ってください。ぜんぶ61番でお願いします」

と、61番が30枚くらい詰まった箱を渡されました。

「だいたい2時間ごとに1枚上げてもらえればいいですから」


当時、つーか今も変わらんけど、

僕は、人物に影をつけるのがどのくらい時間かかるのか

気にしたことがありませんでした。

 

マック先生のところで3年半、
ほぼキレイなお姉ちゃんの脚とか体に影をつける作業をしていたので、
慣れた作業と言えば慣れていたんですが、
問題は時間でした。

 

「ま、何とかなるだろう!2時間もあるし」

と始めたトーン削り作業でしたが、
1ページ4コマ~5コマ。

そのすべてにハダカの女性が描かれています。

 

最初の2時間経過。

 

最初の1ページが終わらない!

「はい、じゃ次これお願いしま~す」

次が来た!

その時点で、全身から汗がブワッと出ました。

「え、これ、やばくない?」

僕が終わってなくても、

原稿は2時間ごとにどんどん渡されます。

「終わらない終わらない!」の繰り返し。

 

食事休憩。

ぐったりして、支給されたコンビニ弁当をいただきます。

そしてまた必死でトーンを削るだけの作業。


トーン削り作業の体の動きをイメージしやすいように

同じような動きに例えると、そうですね…

消しゴムをかける作業に近いでしょうか。


エンピツで真っ黒に塗り潰してある
B4の原稿用紙を、一気に消しゴムで消す作業に近いかと思います。

 

ごしごしごしごしごしごしごしごし…

 

それが12時間(途中、食事休憩2回…だったと思う)

作業時間は合計10時間くらいかな~。

全身に汗かきながら、やり切りました。


僕はけっきょく、

渡された原稿を全部できなくて

アシスタント料1万円の約束のところ 
9,000円に値下げされました。

 

それまでは、上手いとか、いい出来ですとか言われて
アシやらせてもらってたんだけど、
初めて自分の作業スピードの遅さを意識するきっかけになったお仕事でした。

 

家に帰ってから体重を測ると、

5キロ減ってました。

いや、5キロは盛ってるかな、

でも4キロは確実に減ってたと思います。

 

 

つづく…


アナログアシ時代の思い出 その21 おわり

 

アナログアシ時代の思い出 その20「キツかった現場1/3」

 

今まででキツかったアシ現場 1/3

 

原稿そのものを作品として扱う先生

漫画の原稿っていうのは、基本、印刷されて初めて作品になるんです。

なので、印刷に出ない部分、
たとえば紙の端っこのほうは、どうでもいいので、

裁ち切りで、紙の端っこまでベタが塗ってある場合とか、
テキトーでいいワケです。

 

でもその先生は、
原稿用紙の端から、たしか5mmくらいにきれいな直線を引いて、

きれいにベタを塗るように言われました。

そして、ベタも見た目真っ黒にしてほしいので、
この筆ペンで塗ってください、と指定の筆ペンを渡されました。

 

 渡された筆ペン、乾きがめっちゃ遅かった!
 そのせいで他の原稿用紙重ねたら
 裏を汚しちゃってめっちゃ叱られました。

 

原稿を持つ時も、絶対に片手で持ってはいけないとのこと。

トーンを買うときに入ってたボール紙でできた箱に乗せるか、

最悪、手で持つ場合は、

下に手を広げて添えてもつように、とのことでした。

丁寧ですばらしいんだけど、

今までフツーに扱ってた僕にとっては面倒でした…。(-_-,,) 

 

あと、原稿を折ってはいけないということ。

これは当たり前で、
どの現場でも気をつけなければいけない事なんだけど、
その現場は、最初に、キツく、キツく、キツ~~~く言われました。

なので、常にヒジを浮かせての作業になって背中とか肩とかめっちゃ疲労しました。


そして、ホワイトを使ってはいけないということ。

つまりどんな場合も、はみ出すことは許さん!ということですね。


そうやってできた原稿は、
確かに芸術品のようにキレイな原稿でした。

トーンを貼る際にも、
「あとから貼り替えることがあるので、
ごりごりこすって圧着せずに、
軽く上に乗せる感じでお願いします」って言われました。

そんな状態の原稿を何枚も重ねて置いてたけど、

大丈夫だったのかな。

すごい小さく切ったトーンとかあったけど…。

はがれてる可能性あると思うけどな~。(^п^;) 

 

とにかくバリバリの少女漫画の現場で、
勝手が…わからんかった。

それが一番キツかったかも。 ( ̄д ̄||)  

 

それまで人物の影トーン貼りとか削りとか、
一生懸命修行してきたつもりだったのに、

少女漫画のトーンの貼り方、影のつけ方がわかんなくて、
貼って見せたら、

「あなた、影とかつけられない子?」

って言われたのはショックだったなー。 。・゚・(ノД`) 

 


その現場は、締め切り前日からアップまでの約束だったので、

1日だけでした。


正直、とてもキツかった…。


帰路、電車の中で時給を計算してみたら時給440円でした。

それもキツかったな~。(´・ω・`) 

 

つづく…

 

アナログアシ時代の思い出 その20 おわり

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アナログアシ時代の思い出 その19「ストレス」

 

賞金100万円の新人漫画賞をいただいたことで、
僕は地に足がつかない状態になっていました。

 

当時、まだ数回、ロイホ先生(仮名)のアシスタントが残っていたので、
静岡県まで新幹線で行き、
3泊4日ほどの日程で背景を描いていました。

 

受賞したことで、
僕は、自分の明るい未来しか思い描けませんでした。

週刊連載をして人気が出て、

アニメ化!ドラマ化!映画化!

とかそんな感じです。

実際は、それが、どのような道のりなのか
まったく想像できてませんでしたけど。

 

これからどうやって頑張ればいいのかも
よくわかっていませんでした。

 

新幹線に乗る前に、
これからは文化人になるのだからと、
『AERA』とか、なんかそういう情報誌っぽいのを買って読んでみたり。

読んでみたところで、よくわからなかったりで、
完全に空回りしてた気がします。


僕の担当編集者ザクロさん(仮名)
大きな賞を受賞したことで
がぜんやる気になりました。

 

「週刊連載を勝ち取りましょう!」

ということで僕は、ネームというかプロットというか、
とにかく連載できるような作品を作るために頑張りました。

もちろんマック先生(仮名)の週刊連載のアシを続けながら。

 

マック先生の仕事は毎週水曜~土曜まで


それからネームを切って、
火曜日にザクロさんと打ち合わせです。

 

最初は、毎週ネームを持って行ってたんですが、
時間の使い方が超下手クソで、
計画性のない僕です。

土曜日にアシが終わると、

「終わった~!」

となって、とりあえずその日は酔っぱらって寝ます。

 

で気がゆるんで、日、月と、だらだらしてしまって、
月曜の夜になってやっと、

「あああ…、明日までにネームやらないと…!」

って、めっちゃ焦って、

ひと晩で、ネームみたいなモノをでっちあげる訳です。


1ページの真ん中にタテ描きで、

「いろいろあって、ケンカになる」

と書いてあるページから3ページ連続で、

「ケンカ」「ケンカ」「ケンカ」

で、次のページが、

「なんだかんだで、オチ。END」


とだけ書いた、お世辞にもネームとは呼べないシロモノを持って、

編集部まで行く日々が続きました。

それを見たザクロさんの顔も曇ります。


何週目かの火曜日、

ついに僕は、電車の中で腹痛を起こして、
途中の駅で降りてしまいました。


「すいません、途中でお腹が痛くなってしいまって…。行けません」

と電話をすると、ザクロさんは、

「そうか。わかった」

とだけ言いました。


それから、ザクロさんとの毎週の打ち合わせは、なくなりました。

週刊連載の話は、立ち消えになりました。

マック先生のアシスタントだけに

心血を注ぐ日々が始まったのでした。

 


つづく…


アナログアシ時代の思い出 その19 おわり

 

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アナログアシ時代の思い出 その18「新人漫画大賞受賞」

今回は、
静岡県ロイホ先生の仕事場で、
仕事が終わったあと睡眠時間を削ってコツコツ描いていた作品が、
賞金100万円漫画新人賞をいただいた時のお話。

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僕は、マック先生(仮名)の事務所で、
週刊連載のレギュラーアシスンタトをする事になって、
毎週、忙しい日々を送っていました。

 

その知らせを聴いたのは、
マック事務所の作画期間中でした。

作画期間中ですから、
マック先生以下レギュラーアシ3人とも出勤していました。

 

そして担当編集者ザクロさん(仮名)も何かの用事で来ていました。

 

ザクロさんは、
僕が投稿した作品を評価してくれて、
電話をくれた編集さんです。


それ以来、僕の担当編集者となりました。

ザクロさんの紹介で、僕はマック事務所で働くことになったのです。

僕らは次のステップとして、
「賞金100万円の大きな賞に応募するための作品を作りましょう!」
と意気込んでいました。

 

     ×     ×     ×

 


その知らせを聴いたのは、
マック事務所で背景を描いている最中でした。

執筆室の先生の目の前にあった電話に、
編集部からザクロさん宛てに電話が鳴りました。

電話を受け取ったザクロさんは電話口で

「ああ、そう!」

と大きな声を出しました。

 

僕が背景の指示を聞きにマック先生の執筆室へ入っていくと、

マック先生ザクロさんが、僕の方を向いて含みのある顔をしています。

「…言わないんですか?」

マック先生ザクロさんにそう言うとザクロさんが、

「おめでとう!大賞、流星くんに決まったって!」

と言いました。


こんなとき不思議な気持ちになるものです。

大賞を受賞することは、最初からわかっていたような

さきほどの「ああ、そう!」という声を作業部屋で聴いたときに
何かを感じていたような。

時間がごっちゃになったような気持ちに。


ザクロさんと、何度もネームの直しをし、

何度もダメ出しを食らって、

最後の最後、もう締め切りまで時間がないという段階になって、

「もう、時間ギリギリだし、好きなように描きなよ」

と半ば放り出したようにザクロさんに言われた作品…。


それからロイホ先生のアシをしながら、
10日間で完成させた32ページの作品でした。

マック先生からは、

「キミは、いい腕だねぇ」

というお言葉をいただきました。

僕は、嬉しくて、
「ちょっと用を足してきます」
と事務所を抜け出し、
直近の公衆電話から、当時同棲していた現在の妻
報告の電話をかけたのをおぼえています。

 つづく…

 

アナログアシ時代の思い出 その18 おわり

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