アナログアシ時代の思い出 その13

 

今回は、漫画業界以外の友達から頼まれたお仕事の話。

 

友人の同僚の女の子が、

漫画家としてデビューしたので
ちょっと手伝ってあげて欲しいという依頼だ。

 

現在、読み切りの漫画を執筆中で
背景を描ける人を探してるという。

臨時で一回だけ手伝いに行くことになった。

※読み切り=一話完結の漫画

 

僕のほかに、

背景が描けないアシさんが二人いるらしい。

 

僕よりも若いその子の実家の最寄り駅で合流。

駅近くにある、その子の実家へと案内された。


家に見た第一印象は…

人様の住居に対して失礼だけど、

かなり狭い…。( ̄▽ ̄;)  

 

おまけにその子の部屋を見ると、
物がすごく多い。とてつもなく。
床がほぼ見えない…。
部屋の中央には、小さいコタツが置いてあるだけ。

「え、ここでアシスタントするの?
僕の他に二人いるって聞いたけど、
ここで4人の人間が作業するの?無理でしょ」

と思いました。


どうするのだろう、と待っていると

「じゃ、仕事場に行きましょうか」

 

仕事場が別にあるようだ。

少しほっとしました。


で、

向かった先が、某有名ハンバーガーショップ

そのハンバーガーショップには、

8人掛けの大きなテーブルがありました。

 

そのテーブルを占領して、

仕事場にしてしまおうという事らしいです。

4人で座って、

漫画を描く道具とかスクリーントーンとかを置くと

だいたい6席分くらいを占領してしまう感じになります。

「え…まじで?」

僕は、目を疑いました。

にわかには信じられませんでしたけど、

彼らは、当たり前のように席についていきます。

そして、道具を広げ…


だいたい準備ができたら、

カウンターへ行ってハンバーガーや珈琲を注文。

番号札を持って戻ってきました。


自己紹介。

僕以外の二人のアシさんは、男性ひとり女性ひとり。

先生の小学校からの同級生。

漫画につていは素人で、

見よう見まねでやっとトーンが貼れる程度。


ということで、作業スタート。

予想はしてましたけど、

周囲のお客さんからは、かなりジロジロ見られてました。

そのテーブルは、特に「貸し切り」というワケじゃないので、

空いてる席にサラリーマン風のおじさんが座って

食事したりしてます。

チラチラこっちをのぞき見ながら。


ものすごい雰囲気…。

「マジかよ~!」

という気持ちも、数時間が経過するうちに消えました。

 

そのハンバーガーショップでの作業は、

なんと10時間続きました。

ほんと「マジかよ~!!」ですよね。


たしか3日連続で背景を描かせていただいて、

お給料をいただいて終了しました。

3日間ずっと、同じハンバーガーショップでの作業でした。


店員さんは、何も言わず、
普通に日常業務をこなしていました。

 

ワンダーワールド。

すげえな。


というワケで謎の少女漫画家さんだったワケだけど、

彼女の絵の描き方が、異次元でした。

 

下描きが入っている上から、

その絵とは全く違う絵をペン入れしていくというスタイル。

「頭の中、どうなってんの?」って思いました。


下描きも1本のキレイな線でツーーッて引いてあるんだけど、

その上から、ぜんっぜん違う絵、構図もアングルも全然違う
完全に別の絵をキレイな1本線でツーーッって引いていくという…。


全コマというワケじゃなかったので、

ペン入れの段階になって、やっぱ別の絵にしようと思ったんだろうね。

それにしても、すげえデッサン力ですよね。

謎だ…。

 

つづく…

アナログアシ時代の思い出 その13 おわり

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