マンガアシの教科書

22歳でアシスタントとして漫画業界入りし、プロ漫画家になったはいいけどヒット作無しで30年経過した男の告白ブログ/Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です

アナログアシ時代の思い出 その8「臨時ヘルプに行く話」

レギュラーで入ってる仕事以外に

ほかの仕事場へお手伝いに行くこともありました。

 

臨時アシスタントとかヘルプのアシスントとか呼ばれてました。


臨時のお手伝いに行くと、

まず仕事部屋に通されて、

「この机を使ってください」

とか言われて、さっそくお仕事を開始します。


漫画業界って、不思議な業界で、

仕事内容とかお給料とかの話し合いとか、

事前にされることはあまりありませんでした。

昔の話ですけどね。

 

僕がアシスタントを始めた22歳のころ(平成元年)は

そうでした。

最近は、結構きっちりするようになりましたね。

〇〇時~〇〇時まで、休憩〇回、お給料は〇〇円

とか事前にちゃんと決めてくれる先生が多くなりました。

 

昔は、いきなり何も言われないまま12時間くらい仕事して、

終わったら、

「今日はありがとう。助かったよ」

ってお給料をもらうんです。

 

ただ、その瞬間までいくらもらえるか全然わからないんです。

帰りの電車の中で時給計算したら時給440円だったってこともありました。

でも、だいたい一日10,000円~15,000円 と相場は決まっていました。


僕がいただいた最高額は、一日20,000円 でした。

20,000円の先生は、さすがにその人一人だけでしたけどね。


この金額はリーマンショック以前の金額です。

リーマンショックで、漫画業界も少なからず打撃を受けました。

漫画家さんもアシスタントも同じくです。

賃金が、ドーーーーンと下がりましたね。


で、ヘルプアシとして仕事場に入ると、

わからない事だらけで不安でいっぱいになるんです。

まず、書いたように、いくらもらえるのかわからない。

でも、いつもの事なのでそれは良しとしてました。

食事の時間とか、休憩があるのかとか

そもそもいつまでやるのかが分からないんですよね。

漫画の追い込み(※)って、原稿が上がるまで続くんです。

※追い込み
締め切り前のめっちゃ切羽詰まった状態。

 

だから、行ってから12時間で帰れるのか、

16時間くらい続くのかわかりません。

1日で終わるって聴いてたのに27時間仕事し続けたこともあります。

みんな睡眠不足でフラフラの状態でイライラしてて、

すごい空気の中で仕事してましたね。


唯一の救いは、

原稿が上がってホッとして、

先生が笑顔で

「今回は、ありがとう!助かりました!」

って言ってくれたことですね。


どんなに有名な先生でも、ヘルプで手伝いに行った先生は、

僕の顔と名前をしっかり覚えてくれてて、

次に、どこか出版社のパーティーとかで偶然出会ったときに

「いや~、あの時はありがとう!」

って向こうから声をかけてきてくれたりしました。


そうやって、少しずつ業界内で顔が広くなっていきました。

つづく…


アナログアシ時代の思い出 その8 おわり


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