アナログアシ時代の思い出 その2「修行時代」
僕が初めてレギュラーアシとして入った仕事場は、
某中堅雑誌の人気ナンバーワンの先生のところでした。
最初は、カケアミと呼ばれる線を重ねてグレーっぽい効果を生み出す
練習から始めました。
こんなのです。
慣れてくると、こんな感じになります。
毎日まいにち、先生のOKが出るまで、
仕事に行っては、自分の机でずっと練習ばっかりしてました。
あとは、おかずとスクリーントーンの買い出しが
僕のおもな仕事でした。
やっとOKが出て、
先生の原稿にカケアミを描くことが出来た時は、
死ぬほど緊張しました。
確か最初は、女子高生のセーラー服だったと思います。
× × ×
3ヵ月ほど続けていると、
以前、その仕事場で働いていて、
プロ漫画家としてデビューして
連載も持っていたというBさんという人が
また舞い戻ってきました。
僕は、Bさんの隣で、
Bさんの技術を真似して頑張ってました。
× × ×
ひとつの話の原稿28ページの作業が、
だんだん終わりに近づいてきて、
抜けややり忘れを先生がチェックする段階にくると
僕の緊張は、MAXになりました。
担当編集者さんは、
貧乏ゆすりしながらキッチンのテーブルで待っています。
先生は、
漏れがある原稿を無言で渡してきます。
僕らは、その原稿のどこに漏れがあるか
必死で探して、修正します。
ほぼ、ホワイトのやり忘れなんですが、
ホワイト漏れを見逃して先生に渡すと、
突き返されます。
「俺に3回同じこと言わせんなよー」
先生が、野太い抑揚のない声でそう言うと
ピリピリした空気がさらに凍りつきます。
Bさんの作業は、
そんな場面でもきっちり正確でした。
そして、必要最小限の部分しかやらないので、
スピードも速かったです。
僕は、ホワイト漏れ以外にも
何かひっかかるものがあれば、ベタや仕上げの部分など
必要のない部分まで修正していたので、
時間がかかりました。
先生から
「おい、流星くんの時給、Bくんにくらべて高いなー」
「すんげえ高いぞーワハハ」
と嫌みを言ってきます。
口下手だった僕は、
無言で作業をつづけながら、
「ひ~!すいません!」
と背中で謝り、必死で修正作業をしてました。
今ではいい思い出。
そういう体験があって、アシとしても成長できたんだと思います。
以上です。
長文、読んでいただて、
ありがとうございました!(≧ω≦)b
アナログアシ時代の思い出 その2 おわり
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