デジタル漫画の教科書 その1「準備と慣れ」
僕のデジタル作業は遅い。
デジタルは、時間がかかる。
デジタルにすれば、簡単で時短になると思っていた僕は、
まず、そのことに驚いた。
デジタルって、かなり慣れないと
手で描くより時間がかかるのだ。
それでも、ベタ、トーン仕上げに関しては時間短縮になった。
デジタルで、ぺぺぺぺッと塗れるベタを体験すると、
もうアナログには戻れないなと思った。
仕上げは速いけど、その他の、
絵を描く作業が、どうにも遅い。
「僕が遅いだけなのか?
いや、そんな速く描けるかよ!」
当時は、そう思っても、
比べるべき他の漫画家さんの知り合いもいなかったし。
「作業風景を見せてください~」
ってお願いするのにも勇気が必要だった。
いま6年くらいデジタル漫画アシをやっている僕が
当時のデジタル始めたばっかのころの僕に言おう。
「キミは遅い!とんでもなく」
「そんで、お酒飲みすぎ!」
「デジタルは、手慣れれば、とてつもないスピードで漫画を描くことができる」
あくまでも、手慣れればね。
そんで、いま現在の僕は、
まだ手慣れていない…。
とんでもない速さで背景を描き、
仕上げをする漫画アシさんは、存在する。
絵を描くためのツールの準備が完璧で、
完璧に使いこなしているために、
スピードが違う!
準備 と 慣れ です。
※注釈
「絵を描くためのツール」とは
パターンブラシを作っておくとか
ダウンロードしておくとか、
ショートカットキーを完璧に覚えておくとか、
左手用デバイスに記憶させておくとか…。
いろいろあります。
実際にペンタブの上でペンを動かすスピードも速いけど、
「次に何をするか」
を考える速さがちがうんだと思う。
おそらくだけど。
完成までの全体像が見えていて、かかる時間も予測できてるんだろうな。
で、
こーやってあーやって、こーしてああして…ハイ完成!
って絵が、全部見えているに違いない。
僕は、まだまだです。
全然だめ。
21歳で初めてアナログアシスタントに入って、
「流星くん、遅いよ~!」
って叱られてた時代を思い出してます。
でも、いまが成長の時よ。
「くそ!なんで俺はこんなに遅いんだ!」
ってつ自分に腹を立てながら作業をすることで速くなります。
アナログ時代の僕の体験談です。
食らいつくしかありません。
「デジタル漫画の教科書 その1」おわり
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